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2007年5月、イタリアのワイン専門誌「月刊ガンベロ・ロッソ」主催で、イタリア国内の古酒を集めたコンテストが催されました。マストロベラルディーノ家がプライベート・コレクションとして大切に保存していた「家宝」とも呼ぶべき貴重なバック・ヴィンテージ「1934」年を出品したところ、驚くべきことになんと!史上最高得点99点を獲得してしまったのです!
この出来事はイタリアワイン界で衝撃のニュースとなり、華々しい栄誉としてその歴史に刻まれました。もはやイタリアワイン界では「宝」とも呼ぶべきワインとなり、世界中の顧客から注文が殺到しているようですが、今回は1997年を少量「大切な日本のお客様へ」というワイナリーからのメッセージとともに譲り受けました。
ぜひともこの機会に10年間熟成された、真のアリアニコの熟成美をご堪能ください。 | |
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 イタリア、カンパーニャ州、ヴェスーヴィオ火山の麓に位置する、1878年創業のマストロベラルディーノ社。1700年代には自社で瓶詰めを行い、ブドウ作りを行っていたのはそれより遥か歴史を遡る、由緒あるワイナリーです。時代の波の中で、周囲のワイナリーが国際品種に植え替えを行う中でもカンパーニャで唯一、頑なにカンパーニャの地品種に拘り、テロワールを重視し、量より質を求めたワイン造りの道を歩んできました。
歴史と伝統を重んじながらも最新の設備を取り揃え、今やイタリアだけでなく、世界的にトップの評価を受けるまでになっています。その格式の高さと信頼性からも、イタリア政府期間よりポンペイの遺跡から発掘されたブドウ畑よりワインを造るプロジェクトを唯一託されるなど、イタリアを代表する生産者です。 | |
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 1878年創業。古い歴史を遡れば定かでないが、1700年代後半には自社瓶詰めをしていたワイナリー。昔はカンパーニャ州の大部分をマストロベラルディーノが所有していたという程の由緒のある名門。 第二次世界大戦終了後、9代目当主アントニオ・マストロベラルディーノ氏の尽力により、カンパーニャの地品種を使用した、テロワールを表現したワイン造りを行う。大戦の前後、世界中の消費者の嗜好がCS、メルローなどの国際品種傾向にあり、カンパーニャ中の生産者もグレコやアリアニコを次々と国際品種へ植え替えていった。戦争が終わった後、カンパーニャ特産のブドウ品種は激減しており、特にグレコなどはカンパーニャ全体での収穫量が僅か40kgのブドウという、絶滅寸前という状況になっていた。 | |
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 アントニオ氏はカンパーニャのワイン造りの歴史、またマストロベラルディーノの伝統を敬い、その素晴らしさを復興させるため、またカンパーニャのテロワールを確立するために、自ら足を運び、ブドウ生産者を1軒1軒周ってブドウ樹を残しておくように説得を続けた。アントニオ氏の努力のおかげで、徐々にブドウ樹は増え、遂にはワインを瓶詰めできるまでになった。そしてカンパーニャはグレコ・ディ・トゥーフォ、フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ、タウラージなどと いうカンパーニャ特産のブドウを使ったワインがD.O.C.G.にまで認識されるようになったのは、まさにアントニオ氏の努力の賜物であり、氏の活躍がなければ、今頃カンパーニャワインの歴史が変わっていたことはいうまでもない。 現在は10代目当主ピエロ・マストロベラルディーノ氏がその志を引継ぎ、これまで築き上げてきた伝統と品格に勝るとも劣らぬワインを世に送り出している。 | |