シャトー ベイシュヴェル 2016年 メドック グラン クリュ クラッセ
Chateau Beychevelle 2016 Grand Cru Classe du Medoc en 1855 AOC Saint-Julien

ワインづくりの歴史は古く、すでに17世紀中頃には、大規模な葡萄栽培が行われていました。これは、メドックで最も古い記録のひとつです。そして18世紀の中頃には、サンジュリアン村の数あるシャトーの中でも最も高値を呼ぶ銘柄として頭角を現しました。この名声は、ブラシエ侯爵の時代にさらに磨きをかけられていきましたが2代目のブラシエ侯爵がフランス革命によって追放されてからは、一時期名声にかげりを見せることになります。1855年の公式格付けの際に、土地そのものの本来の実力よりも低めのグラン クリュ第4級に格付けされたのはこのためでした。 その後ベイシュヴェルはパリの銀行家アルマン・アインの所有に移り、急速に復興します。彼とその娘婿のシャルル・アシール＝フールの時代にベイシュヴェルの品質は本来の第2級として評価されるようになり、今日に至っているのです。

そしてシャルルの孫のアイマール・アシール＝フールがフランスの国防大臣に就任した際には、「ベイシュヴェルに"帆を下ろせ"の伝統が復活した」として大きな話題を呼びました。シャトー ベイシュヴェルは、メドックの中心地に位置しています。深いレキ(小石)層におおわれたその土壌は、ベイシュヴェルから北に向かってラトゥールの畑まで続いており、おそらくはカベルネ種の栽培には最も適した土地のひとつと言えるでしょう。事実ここからは、世界最高と評価の高い、いくつものワインが生み出されているのです。

シャトー ベイシュヴェル》は、この恵まれた土地に約250haの敷地を所有していますが、葡萄畑にしているのは、わずかに70haのみ。これは、葡萄の樹に最も適した土地のみを厳選の上にも厳選しているからで、その他の土地は羊の放牧や牧草地として利用しています。そして羊の糞等を堆肥として畑に使い、全体として有機的な農法を行っているのです。植え付け品種はカベルネ・ソーヴィニヨン62％、メルロ31％、カベルネ・フラン5％、プティ・ヴェルド2％。醸造は高めの温度で長めに行い、果皮や種子からの成分を充分に浸出させ、樽貯蔵の際には、その年の品質にあわせて、新樽を30～60％導入、18～19ヵ月ほどねかせます。 こうして出来上がるシャトー ベイシュヴェルは、その後、長い瓶熟の歳月を経て、類なくエレガントで優雅なワインに成長していくのです。|

グラン・ギィド・デ・ヴァン・デ・フランスはシャトー・ベイシュヴェルについて…「この見事なシャトーは、サン・ジュリアンの中で最もエレガントな建物を持ち、偉大なヴィンテージには、このシャトーのスタイルに合致したワインを生み出す。 それまマルゴーでさえも超えることのできないフィネスがあり、テクスチュアの繊細さは、その大きさをきちんと評価するために美しさを評価する目を持つ審美家 であることを要求する。このシャトーはとりわけ注意をしなければならない。というのも、その本当の大きさは時間とともに現れるからである(崇高な1996年のように)。現在の醸造担当であるフィリップ・ブランは、早くから現れる魅力を重要視していない。というのもそれはテロワールを尊重することとは両立しないと考えているからだ。近年のヴィンテージはすべて成功している。現在使われているバリックは、過去のものより数段良い。」として、3B＆Dマークを付け絶賛!!|

シャトー ベイシュヴェルについてD.ペッパーコーン氏は…メドックで最も美しいシャトーのひとつで、夏になると道路沿いの入り口にあでやかな花々が咲き誇って、さらにその美しさを増す。16世紀の終わりごろ、ここがフランス海 軍の提督デペルノン公爵のものだった時代には、ジロンド河を行き来する船は敬礼の印 に帆を下げなくてはならなかったそうだ。つまりベイシュヴェルは“帆を下げよ"を意味 するbaisse-voileが訛ったものなのだ。」 「最高の年のベイシュヴェルは、サンジュリアンの魅力を最大にひきだすあらゆる要素のまさに輝かしい見本である。 素晴らしく優雅なブーケ、そして飲む者の心をたちまちとりこにする、成熟していながらも新鮮さをもつ風味。それは早い時期から飲んでほしいと問いかけると同時に調和がとれているので長もちすることも間違いない。」と高評価しています。|