 | ボルドー・メドック地区のワインをフランスワインの女王と呼ぶとするなら、シャトー・マルゴーは女王たちの中でも最も芳醇で最も優美なワインだと言えます。長い瓶熟を経て花開くシャトー・マルゴーの華麗さと、たおやかさ、そしてデリカシーはまさに比類のないもので1855年の公式格付けでグランクリュ第1級に選定されたのも当然すぎることだったと言えます。 | | 歴史に名を残す愛好家も多く、ルイ15世の寵姫マダム・デュ・バリや意外なところでは、マルクス主義で知られるエンゲルスが「あなたにとって幸福とは?」と聞かれ「シャトー・マルゴー1848年」と答えたというエピソードも伝わっています。文豪ヘミングウェイもこのワインに魅了された一人で、生まれたばかりの孫娘に「このワインのように女性らしく魅力的に育つように・・・」という願いをこめて「マーゴ」という名前を贈り、この子がのちに映画女優になったことでも有名です。 | | 1977年このシャトーは長い歴史の中でも特に優秀な所有者(メンツェロプス家)の手に(当時シャトー・マルゴーはオーナーのジネステ家が熱意を失ったため名声に翳りを兆しつつありました。)わたり大金が投入され、マルゴーの底なしの偉大さを世界中に見せつけるのには、1978年の一つのヴィンテージで充分でした。以下、ロバート・パーカー氏の「ボルドー」の一節。
『1978年のマルゴーはすぐに評判を勝ち取り、その後もきら星のごときワインを次々と送り出した。絶句するほどすばらしい豊かさとバランスは、1980年代にボルドー全体で作られたどのワインよりも良好だと言っても過言ではなかった。よみがえったマルゴーの特徴は豪勢な豊かさ、熟したブラックカラント、スパイシーなヴァンリン、オーク、スミレなどの深みのある多面的なブーケを持つスタイルである。』
写真:マルゴーの存在!醸造責任者、ポール・ポンタリエ氏と当店オーナー | | |  | シャトー・マルゴー 2015年 亡き支配人ポール・ポンタリエ氏が携わった最後の年であり、遺作とも言える2015年。「2015年ヴィンテージが永遠に、そして私達にとって素晴らしいヴィンテージであり続けますように」という特別な思いを込めて造られた、シルクスクリーンプリントラベル。 カベルネ・ソーヴィニヨンが87%の高比率でメルロー8%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%。 | |  |  | |