 |  ロバート・パーカー氏はル・ボン・パストゥールについて、ル・ボン・パストゥールは、世界に名を知られたリブルヌのエノロジスト、ミシェル・ロランが所有するシャトーである。生産されるワインのスタイルは不当にも物議をかもしているが、これはワインそのものの品質よりも、シャトーの背後にいる人物のためであると思われる。私は、ル・ボン・パストゥールはポムロールで最上のワインの1つだと思っている。ヴィンテージにかかわらず魅惑的で、まろやかさと豊かのある、気前のよい、熟した果実味のある、完ぺきに近いバランスという特徴を備えている。必買品である。 | |  |  ル・ボン・パストゥールはボルドーで最も才能ある2人のエノロジスト、カテュソー村に研究所を持つダニィとミシェル・ロランのシャトーである。ミシェルはさらに、ポムロール、サン=テミリオン、そのほかメジャーなボルドーのアペラシオンの「紳士録」のような顧客リストを誇る。彼の名声は非常に高く、イタリアのオルネライ、チリのカサ・ラポストレ、かの有名なナパ・ヴァレーの至宝ハーラン・エステイトやブライアント・ファミリー・ヴィンヤードなど世界各地の一流のワイナリーのコンサルタントも務めている。 ミシェル・ロランの成功と、「ポムロール名門サークル」という、ポムロールのシャトー協会の組織化は、収穫時期とワインづくりの哲学に関する2つの有力な考え方が生まれる原因になった。まず、ジャン=ピエール・ムエックスの会社とその主要なスポークスマンであるクリスティアン・ムエックス、そして用心深いエノロジスト、ジャン=クロード・ベルーエらを代表とする一派は、メルロというブドウは遅く摘みすぎてはならないと考えている。彼らの主張によると、早い時期の収穫はワインの安定性と酸度を保つのに重要であるという。さらにムエックスとベルーエはマサレーションの期間をもっと短くすれば、ワインはもっとエレガントになると信じている。時としてベルーエは、ワインに風味や享楽的な要素が加わりすぎるのを恐れているかにすら見える。 ル・ボン・パストゥールはボルドーで最も才能ある2人のエノロジスト、カテュソー村に研究所を持つダニィとミシェル・ロランのシャトーである。ミシェルはさらに、ポムロール、サン=テミリオン、そのほかメジャーなボルドーのアペラシオンの「紳士録」のような顧客リストを誇る。彼の名声は非常に高く、イタリアのオルネライ、チリのカサ・ラポストレ、かの有名なナパ・ヴァレーの至宝ハーラン・エステイトやブライアント・ファミリー・ヴィンヤードなど世界各地の一流のワイナリーのコンサルタントも務めている。 反対にミシェル・ロランと彼の同僚たちは、シュルマテュリテの要素を持った果実を得るためにできる限り収穫を遅くするべきだと信じている。またロランは奥深い色、豊かさ、熟成の潜在力を持つワインを生産するにはマセレーションの期間を延長することだとも信じている。ロランの哲学が、フランスの一流評論家たち、特に遠慮なくものを言うパリジャン、ミシェル・ベターヌなどの好奇心をかきたてたのは間違いない。彼はヨーロッパ最高のテイスターにしてワイン評論家であり、ロランの確固たる擁護者として、彼が並はずれたワインを生み出すのに必要な哲学を持っていると信じている。そのロランの顧客のうち、クロ・レグリーズ、クリネ、ラ・フルール・ド・ゲイの3つが今、ペトリュスに比肩するワインをつくり出しつつあるのは興味深いことだ。 | |  |  ル・ボン・パストゥールの畑はポムロールで最高の立地にあるわけではない。6.6haの畑はポムロールの北東、マイエ村の近くに広がっている。土壌のタイプは主として2つあり、1つは砂利がベース、もう1つは粘度がベースで、より軽く、深い砂利地層もある。非常に古いブドウ樹、遅い摘み取り、長時間のマセレーション、そしてオークの新樽を100%使用したおかげで、ロランは彼の畑から最大限のものを引き出すことができた。こうして彼は2001年、2000年、1998年、1995年、1990年、1989年、1988年、そして1982年といった並はずれたワインをつくったのである。真実を述べてしまうと、いまだに神々しさを感じさせる1982年のワインが、ロランの哲学が正しかったことを証明しているのだ。 | | |  | シャトー・ル・ボン・パストゥール 2004年 「よき羊飼い(=キリスト)」という名を持ち、現在はミシェル&ダニー夫妻が所有するこのシャトーは、ペトリュスの畑に代表されるような「重い粘土土壌」に「砂利土壌」という、ポムロールの典型的な土壌構成を表している三つの区画を有しており、ここで栽培されるメルローとカベルネ・フランからテロワールの表現を重視したワインを造っているといいます。 平均樹齢は30年以上というブドウ樹から遅摘みで収穫される果実は、メルロー80%、カベルネ・フラン20%の比率でフルーツ風味満点のワインへと変貌を遂げるとのこと。 2004年ヴィンテージはパーカーポイント90点!ロラン氏が特に目をかけているシャトーゆえ、その出来にもぐっと期待が持てそうですね。 | |  |  |  | |