 |  1990年代中頃、当時まだマイナーなアペラシオンだった、コート・ド・カスティヨンから彗星のごとく現れ、スイスで行われた専門家によるワインコンテストでは、ペトリュスと最後まで競いあったファイナリストとして世間を騒がせ、コート・ド・カスティヨンの奇跡と讃えられているワイン。 又、グルメ誌ゴーミヨのボルドーワインのブラインドテイスティングでも450銘柄中、堂々の1位になったという話も有名です。 | |  |  ボルドー右岸サン・テミリオンのすぐ東側に位置する“コート・ド・カスティヨン”。僅か10数年前までは高品質なワインが存在するなどとは誰も考えていなかった、このマイナーなアペラシオンから彗星のごとく現れ、そのような状況を変えたのが、この「シャトー・プピーユ」のオーナー、フィリップ・カリーユ氏です。 1990年代中頃から突如としてここカスティヨンのワインが話題となり、無名の産地であるこの地に、このような傑出したワインが存在するという驚きが渦巻きました。 彼の造り出す「濃く、絹のように滑らかなワイン」は品評会でも話題となり、専門家によるブラインド・コンテストで、最後まであの「シャトー・ペトリュス」と張り合ったこともあるという実力派です。 | |  |  カリーユ家はサン・テミリオンを拠点に、1790年には既にサン・テミリオンでワイン造りを始めていました。フィリップは父方と母方両方のシャトーを受け継ぎ、現在3つのシャトーの運営をしているオーナー醸造家です。ウノローグ(醸造士)でもある彼は、若い時からその能力を発揮、ギリシャや南アフリカといった各地で醸造技術者として請われ、海外のワイナリーでも活躍してきました。 彼が引き継いでから、一族のシャトーの品質・味わいは大きく向上。より自然な栽培方法、より厳格な収穫時の選別、樽熟成中に澱とワインが均一に接触する為の回転式樽ラックの導入など不断の改革を進め、年々その品質を向上させています。 | |  |  シャトーは、カスティヨンの北西に位置し、サン・テミリオンから尾根がつながっている丘陵地帯の一角にブドウ畑があります。岩盤はサン・テミリオンからつながった石灰層で、その上に粘土層が覆っている、地質学的にはサン・テミリオンと同じ土壌になります。 このプピーユの畑には、メルロ種が見事にマッチし以前植えられていたカベルネ・フランの畑もメルロに植えかえられています。 また、「高品質なワインを生み出すためには栽培は自然でなければならない」と考えるフィリップは、ほとんど有機といっても良い栽培方法( = リュット・レゾネ )を採っている。そして、そのワインは、年々進化し、「より優しく深い味わい」へと発展しています。 (2004年には、有機栽培の認証を取得 ) | | | |  | シャトー・プピーユ 2010年
色調は鮮やかで深みのある赤色。クロイチゴ、キイチゴのような黒い果実の香りと共にかすかな木の香り。十分に熟した果実のアロマを放つ。口に含むと、アタックは柔らかく、絹のような滑らかさ。バランスよく熟した果実のような適度に濃縮したリッチな味わい。上品なタンニンが後に広がる。既に飲み頃を迎えているが、熟成のポテンシャルも持ち合わせています。
深い紫色をしたワイン・完熟したブラックベリーやブルーベリーのような果実香の中にハーブやコショウを想わせるニュアンスが香ります。プピーユらしい良く熟した果実感をしっかりした酸が引き締めています。果実味と酸、タンニンのバランスが良く、心地よい後味が続きます。 | |  | |