 シャトー・ジャンデマンは、ボルドーのドルトーニュ川の右岸、ポムロールの西側でサンテミリオンから約10kmという絶好の場所に位置するフロンサックにあります。フロンサックは、ややマイナーな地域でありながら、その歴史は古く、ローマ時代からワイン造りが行われていたというボルドーの中でも有数の歴史あるワインの産地。そして、こちらの シャトー・ジャンデマンも、1628年にボルドーの歴史書の中で記録があるほど、伝統的な由緒あるシャトーなのです。 | |
 シャトー・ジャンデマンは、標高約88mのフロンサックの最上部にあり、フロンサックでは最も広い畑を所有しています。特に優れた日照条件と石灰と粘土質の土壌、そして平均樹齢約35年という、比較的樹齢高い樹木のおかげで、鉄分とミネラル分を含み、濃い果実味とスパイス香のある、独特な味わいのワインが造られています。 | |
シャトーを所有し、ワイン造りを行っているのは、ラランド・ド・ポムロールにもシャトーを所有しているトロカール家。戦後以前の持ち主が手放すことになり、1920年にトロカール家の物になりました。3代目のジャン・トロカール氏が今の当主としてワイン造りを継承しています。 | |
 日照、土壌、造り手と、絶好の条件が揃って生まれるワインは、『ボルドーワイン』の著者、デイヴィッド・ペッパーコーン氏が「ワインは際だった高い香りをもち、口に含むとおいしい果実味が広がる。」と評価。なるほど、濃い色合いをしたワインからは凝縮感のある黒系果実、ドライフルーツ、カカオ、ローストなどのアロマと、甘いスパイスのふっくらとしたアロマが広がり、口に含むとよく熟した果実味があります。ギュッと詰まった旨みがあり、いきいきとした快活なタンニンを感じます。7年の熟成を経て、タンニンはこなれ、やわらかい飲み心地。メルロー由来のシルキーな舌触りと、バランスの良い味わいが楽しめるお値打ちな一本です。 | |
 D.ペッパーコーン氏は「ボルドーワイン」の中で、このシャトー・ジャンデマンについて「フロンサックで最大の畑をもち、サン・テニヤン村の赤土をかぶった石灰大地にある。ワインは際だった高い香りをもち、口に含むとおいしい果実味が広がる。そうした特徴のおかげで、3~4年あたりから飲みやすいワインになっている。」と高評価しています。 | |