Cremant de Bourgogne Chardonnay Brut Brut NV Domaine Claude Gheeraert AOC Cremant de Bourgogne Blanc de Blancs
ドメーヌ・クロード・ゲラエールは、ブルゴーニュ地方の北部に位置するシャティヨネの小さな村、モッソン(Mosson)の家族経営の生産者です。シャティヨネは、シャンパーニュ地方のコート・デ・バールの南に位置しており、歴史的にシャンパーニュ地方の一部として葡萄栽培やワイン造りが行われてきました。しかしながら、AOCの制定時にブルゴーニュ地方に分類されたため、シャンパーニュのワインとして生産することは出来なくなりました。
ブルゴーニュワイン委員会(BIBV)によると、シャティヨネには2000年前には葡萄畑が存在しており、8-9世紀頃から19世紀にかけてワイン生産が盛んとなり、非常に高い評判を得ていました。1953年には、紀元前6世紀に造られた、高さ1.64m、容量1,100L、重さ206.8kgの巨大な「タートヴァン(タストヴァン)」が発掘されたことでも有名です。しかし、フィロキセラ禍と経済危機によって葡萄畑は壊滅の一途を辿りましたが、1980年代以降、地元の葡萄栽培農家の情熱によって危機を脱しました。現在、エリア全体で約250haの栽培面積があり、クレマンの品質の高さが認められ、「クレマン・ド ・ブルゴーニュの王国」と称されています。
ゲラエール家は、4世代にわたり葡萄栽培を行なってきた家系です。1987年に、モッソンがブルゴーニュのAOCのエリアに認められたことをきっかけとして、1991年にクロードと妻のクリスティーヌが会社を設立し、自分たちだけの初めての葡萄を植えました。穀物栽培や酪農を並行して行いながら徐々に畑を増やしていき、現在はモッソンとビセイ ラ コートに合計で7haの葡萄畑を所有しています。全体の50%がピノ・ノワール、50%がシャルドネです。栽培はリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。葡萄は組合に販売していましたが、2001年にようやく自分たちだけのワインを生産することができました。生産するワインの90%がクレマンで、すべて自家畑の葡萄を使用するRM的生産者となっています。現在、クロードとクリスティーヌの息子、サミュエルがドメーヌに参加し、さらに高品質なワイン造りを行なっています。
「私たちは、この地域にとってピノ・ノワールとシャルドネがベストな品種だと考えています」とクロードは話します。畑は粘土石灰質土壌です。植えている品種の割合は、ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%です。畑には、土壌の流出を防ぐために木片を撒いています。見学した畑はクロード ゲラエールが所有する中でも最も良い畑で、標高280mに位置しており、葡萄の平均樹齢は30年です。クレマン ド ブルゴーニュの規定に基づき、葡萄の収穫は100%手摘みで行っています。「私たちは、100%自家畑の葡萄を使用してワイン造りを行なっています。家族3人だけで年間を通して仕事をしています。収穫の時は25名ほどの季節労働者を雇います。2023年の生育状況は今のところ順調ですが、まだ霜害の心配があります(5月24日時点)。2022年は質量ともに非常に良い出来でした。2022年のリザーヴワインを保持することは、今後生産するワイン全体の品質を上げる要因になるでしょう。2021年は冬があまり良くなかったため、スティルワインの赤は生産しませんでした」。
ドメーヌ・クロード・ゲラエールでは、年間で最大6万本ほどのワインを生産しています。プレス機は、2013年から空気圧式に変更しました。中のバルーンが膨らむことで、葡萄を均等にプレスすることが出来ます。「以前まではスクリュータイプのプレス機でしたが、空気圧式の方が高品質な果汁を得ることができます。低い圧力でゆっくりとプレスするほど、果汁の品質は良くなります」とクロードは話します。プレスは1日に2-3回行います。1回につき、4,000kgの葡萄を4時間かけてプレスします。優しく圧搾した果汁はまずタンクに移し、24時間静置することで澱下げを行います。その後、上澄みの綺麗な果汁を発酵用のタンクに移し、1-1.5週間かけてアルコール発酵を行った後、マロラクティック発酵を3週間ほどかけて行います。この工程により、酸が和らぐことでワインの甘みが増します。