モンターニュ・ド・ランスの100%格付けのグラン・クリュ「ブージー村」「アンボネイ村」は言わずと知れたピノ・ノワールの優良産地でありアンドレ・クルエは、その地において極上のシャンパーニュを造る生産者です。
もちろん「ブージー」「アンボネイ」ともに100%格付けのグラン・クリュです。ブージーと隣村のアンボネイ最上の斜面に9haの畑を所有する両親の畑から収穫された葡萄のみを使用します。
1973年生まれの若い当主・ジャン・フランソワ・クルエが伝統にこだわりつつ低収量のピノ・ノワールから、芳醇な味わいで古典的なスタイルのシャンパンを生産しています。 プレス機は今でも木製の水平プレスを使用し、丁寧にプレスを行うことによってデリケートでエレガントな味わいを産み出しています。また、通常より若干、首の長い瓶を使用することにより、瓶内でゆっくりと二次醗酵を行います。その事でよりキメ細かい、よりクリーミーな泡が生まれ、デリケートでエレガント、華々しい風味を伴った力強い味わい、複雑で長い余韻を持つ、存在感のあるシャンパンが生み出されます。パリの3つ星タイユバンでも欠かせない存在となっています。 | |
古くから所有する好立地の畑から産みだされた葡萄はジャン・フランソワ・クルエの独創的な造りによって高品質なシャンパーニュへと生まれ変わります。
圧搾機は一般的に使われている丸い圧搾機ではなく長方形の木製水平プレスを使います。また醗酵用のタンクは「一番搾り=テート・ド・キュヴェ」の2050リットルに合わせて造った特注品を使用。 縦長の大容量だと上部と底部の温度差が発生する為温度調節の装置も、ほとんどは外側に巻いておりすべてをカバーできずに温度にムラが出る。発酵槽の中に調節装置を据えれば一定の温度を保ちやすい。というこだわりの理由から醗酵層を特注しております。この特注品を10台並べてクリュの違い毎に醸造を行います。
その他にもフランソワのこだわりは随所に見受けられます。5分間でセラー内の空気が完全に入れ替わる装置を採用し醸造所の床をピカピカに磨きあげる事でブショネの原因となるバクテリア汚染を予防する等品質追求の為には妥協を一切許しません。
また、クルエの品質を早くから認めていたスウェーデンのシャンパーニュ専門家、リチャード・ジューラン氏は最近の著書「4000シャンパーニュ」でも5つ星中の4つ星で評価し「ボランジェのようなスタイルと品質に向かっている」と高く評価しております。 | |
アンドレ・クルエはピノ・ノワール100%格付けの「ブージー村」「アンボネイ村」に畑を所有します。勿論エチケットにグラン・クリュ表記が可能です。しかしアンドレ・クルエのエチケットにグラン・クリュの表記はありません。
かつてアンドレ・クルエはボランジェから『エチケットのデザインが似ているから変えろ』という言いがかりを付けられました。その言いがかりに対し『少なくとも1911年からこのデザインだった』というアンドレ・クルエ側からの回答に対しボランジェ側が『だったらデザインは一切変えずにそのままにしろ』という不条理な要求を突きつけられました。
若き日の当主ジャン・フランソワがこの要求にOKを出してしまった為今でもエチケットのデザインを一切変えられず今後もGrand Curの表記を入れていないという経緯があります。 | |
年間約3000本のみ生産のブランド・ノワール。シャンパンにおいて通常行われる “ドサージュ”(補糖)を行わない良質な葡萄の個性がそのまま活かされたシルバーブリュット。上質なピノ・ノワールのピュアな味わいがそのまま表現された、他とは一線を画すキャラクターのシャンパーニュです。 2004年よりラベルの色を若干深い銀に変えたところ偶然にもこのラベルと同じ色の車を製造するメルセデス社の英国代理店の目に留まり会報誌に掲載されました。 更には、どこかでクルエのシャンパンを飲まれた事のあるスウェーデンの王様が、わざわざ蔵まで訪問にきました。チョット珍しいシャンパンを探していた王様に当主はシルバーブリュットをお薦めしたところ王様は大変お気に召され、王様の60歳の誕生日のディナーにもご招待を受けました。 ラベルが替わった途端に2つの幸運が舞込んだアンドレ・クルエにとってシルバー・ブリュットは“幸運を呼ぶエチケット”となりました。 | |