 |  偉大なる赤ワインでその名を知られる「シャトー・マルゴー」は、100年以上も前からメドックの地でも偉大な白ワインが造れることを証明してきた。実際、オーナーはジロンド川の川べり、「パリュス」と呼ばれる沖積土の低地にある何パーセル(区画)かを常に白専用に確保して、ソーヴィニヨン・ブランから白ワインを造っていた。 19世紀には単に「ヴァン・ブラン・ド・ソーヴィニヨン・デュ・シャトー・マルゴー」(=シャトー・マルゴーのソーヴィニヨンから造られた白ワイン)と呼ばれたこのワインも、1920年からは『パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー』と名前がつくようになった。 | |  |  今日もそのままソーヴィニヨン・ブラン100パーセントの白用ブドウ畑が、偉大な白ワインの生産に最も適した土壌に広がっている。これが石灰質を心土に持つ12ヘクタールという大きなパーセルである。 現在、ブドウの平均樹齢は20年以上に達し、収穫量を極端に抑えた結果(1ヘクタール当たり平均30ヘクトリットルを超えることはない)、ワインの質は90年代初めまでに比べてずっと向上した。 | |  |  収穫量を抑える以外にも、「マルゴー」の総ディレクターを勤めるポール・ポンタリエは、十分に熟したブドウだけを摘むようにした。これは酸の低下とアルコール度数が高くなりすぎることを危惧する大方のボルドーの生産者のように収穫開始日をあまり早くしないためでもある。 栽培に対して、醸造と熟成は非常にシンプルでナチュラルである。アロマを助長するスキンコンタクト(プレスする前に果皮を果汁に浸し、果皮成分を抽出する技法)やパトナージュ(オリ攪拌)は実施しない。 | |  |  その完璧なバランス、決して低くないアルコール度数(14パーセント以上)にもかかわらずフレッシュな口当たりは、これぞクリスタルというべきピュアなワインである。ごく若いうちも美味であるが、このワインは3~5年目にかけて少し閉じた後、見事に熟成する。 | | |  | ヒュージョンソン氏は、「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー(ソーヴィニヨンを使用)はメドック区域で最良の白だが高価。5年以上寝かせておくべきもの。」と大絶賛! D.ペッパーコーン氏は、「スーサン村の畑で育てるソーヴィニヨン種葡萄だけを使ったすばらしい白ワイン!パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーはまさしく本物の高貴なワインだ。ブーケと育ちの良さにはただもう溜息をつくばかりだが、不幸なことに値段を見ても溜息が出る。」 | |  |  |  | マルゴーの醸造責任者、ポール・ポンタリエ氏と当店オーナー | | |