ジェイコブス・クリークの歴史は、南オーストラリアの移民時代にさかのぼります。1836年にアデレードを調査したウィリアム・ライト大佐は、翌1837年にその北西に進出し、南スペインのバロッサにおける英国海軍の勝利にちなんで、その地をバロッサ・バレーと名づけました。|1839年、ウィリアム・ジェイコブは、兄弟のジョンと共にバロッサ・バレーを訪れ、Moorooroo地区の調査に乗り出しました。“Moorooroo”とは先住民の言葉で“交じり合う2つの流れ”を意味します。その流れの1つは、北パラ川。もう1つはそこに流れ込む小川でした。クロフォード山を源流とするその小川はその色から‘Cowieaurita’=“黄土色の水”と呼ばれていました。|その後、その小川はウィリアム・ジェイコブにちなんで、ジェイコブス・クリーク(ジェイコブの小川)と名づけられました。ジェイコブ兄弟が住んでいた小さなコテージは、この小川を見守るように、今もなおひっそりと川辺に佇んでいます。
1993年、オーランド・ウィンダム社はその国際的な功績を讃えられ、他の全業種を抑え、「オーストラリアン・エクスポーター・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。そして1994年、ジェイコブス・クリークはオーストラリアのワイン産業で最も権威あるモーリス・オシェ賞を受賞。この賞が人物ではなくワインに授与されたのは初めてのことで、ジェイコブス・クリークがオーストラリアのワイン輸出産業に、大きく貢献していることが讃えられたのです。|このような継続的な努力の積み重ねにより、オーストラリアを始め海外で開催されるワインコンクールにおいて、常に受賞者リストに名を連ねるようになりました。ここ3年の間に世界のワインコンクールで受賞したメダルの数は、800以上にのぼります。現在ではジェイコブス・クリークの80%以上が輸出され、世界60ヶ国以上で愛飲されています。ジェイコブス・クリークはオーストラリアで最も人気のあるワインブランドです。
ジェイコブス・クリークが目指すのは、収穫年に左右されることなく毎年品質を向上させることです。ブドウ栽培に関しては、苗木の植栽からその収穫まで、徹底した管理体制を整え、最新の栽培技術を用い、散水や肥培、カノピーマネージメントによるブドウの日焼けの防止、害虫駆除、天候管理など行っています。ジェイコブス・クリークは自然の甘味と酸味のバランスが絶妙な、ブドウのもつフレーバーを生かしたワイン造りを行っています。そして同時に、環境に配慮することにもこだわっています。
フィリップ・ラッファーは、2002年にオーランド・ウィンダム社とオーストラリアワイン産業を発展させた功績が評価され、「オーストラリア・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。審査委員長のピーター・フォレスタルは、「ラッファー氏は典型的な大企業のワイン醸造家であり、輸出市場においてオーストラリアワインを成功に導いた人物である」と称えています。「彼の指揮のもと、ジェイコブス・クリーク リザーヴ・レンジは価格以上の品質を提供し、生産量の膨大なコア・レンジは着実に品質を向上させ続け、ますます競争の激しい市場において人気を博しています。」