清澄もろ過もしないヌーヴォーを造る生産者として、一躍その名が知れ渡ったドメーヌ シャサーニュ。 「手をかけて育てた葡萄の持ち味をそのままワインに残したい」と語るシャサーニュは、畑の仕事には人一倍こだわりがあります。3世代にわたるドメーヌで、現在パトリック シャサーニュが所有しており、レニエに近く、最高の品質のボージョレ ヴィラージュを産出することで有名なランティニエ村にてワイン造りをしています。彼の造るワインは、1997年と2002年、ボージョレ ヴィラージュのコンクール(Concours des 2 Bouteilles)で第1位に選ばれました。その品評会は、25年の歴史をもつボージョレ地区では最も厳しい品評会として知られており、また、5年の間に2回もこの品評会で第一位を受賞する事は前代未聞なことです。
シャサーニュ家は伝統的なテロワをうまく表現することが一番大切なことと考えているため、家族3名は畑の作業に日々を費やしています。ビオディナミを学んでいた奥さんと、サヴォワのビオディナミで有名なミシェル ケナールの下で学んだ娘の力添えもあり、自然界に存在しないものは一切用いません。害虫対策には、天敵の蜘蛛を放して対応しています。また、樹と樹の間に草を生やし、保水と生物の生育に役立てています。畑に草を生やすという方法は、ボルドーのグランヴァンの畑でも採用されていて、葡萄の根が土の中で草と養分を奪い合うため、収穫量が自然に抑えられると同時に、根が深くまで伸びるという効果があります。
このように手をかけて造られるシャサーニュのボージョレ ヌーヴォーは、他のヌーヴォーでは得られない深い色合いとボリュームのある果実味にあふれています。彼らの造るワインは醸造の過程で清澄せず瓶詰め前にフィルターも通しません。これは、ヌーヴォーとしては非常に珍しい事で「手をかけて育てた葡萄の持ち味をそのままワインに残したい。」という気持ちからです。したがって澱が出る場合がありますが、品質的に全く何の問題もありません。