 |  シャトー・パタッシュ・ドーはかつて、アルマニャック伯爵の子孫であったオー騎士団が小石混じりの街道を走った乗合馬車(パタッシュ)を停泊させた 場所でした。やがてメドックを縦横に走っていた乗合馬車の名前がこの宿場に与えられましたが、革命時には国有財産として売却されてしまったとのことです。
今日、ラベルによって一台の乗合馬車が当時の姿を伝えています。当時は馬車に揺られる長旅の時代であり、旅人は一杯の美味しいワインで乾いた喉を潤していました。シャトー・パタッシュ・ドーのようなワインは当時まだ生産はされていませんでしたが、 やがてワインの醸造が始まりました。
ラパリュ家(Domaines Lapalu)がこのシャトーを所有したのは1964年のこと。設備の近代化、良質なブドウの育成を通じ、ほどなくしてクリュ・ブルジョワのレベルを超越したシャトーの一つと評されるようになりました。しかし、ラパリュ家とシャトー・パタッシュ・ドーが真の名声を手に入れたのは、1990年代になってからといえます。 | |  |  当時、いくつかのクリュ・ブルジョワのシャトーが、ワインの質の高さに比例するかのように価格を上げていきました。しかし、パタッシュ・ドーは、それらのワインに優るとも劣らない実力を持ちながらも価格を抑え続けたのです。ラパリュ家はカリテ・プリ※を高めることだけを求め続け、その徹底ぶりは、ボルドー屈指と言っても過言ではありません。1990年代後半、一流と言われる多くのシャトー・ワインが国外で人気を博する中、パタッシュ・ドーは本国フランスで不動の地位を築きました。支持したのは、フランスの有力レストランでした。 「申し分ない酒質の高さと、満足のいく価格」と、フランス、ガストロノミー界は、パタッシュ・ドーを評価しました。そして、下記のレストラン以外にも数多くのレストランがこぞってワイン・リストにこのシャトー名を載せるようになったのです。「カリテ・プリの追求」によって、シャトー・パタッシュ・ドーは、真の偉大なワインと躍進しました。※カリテ・プリ Qualite Prix=コスト・パフォーマンス | |  |  パタッシュ・ドゥーについて、ヒュー・ジョンソン氏は、ダブルスターをつけ、「メドック北部にある49haのクリュ・ブルジョワ・シュペリュール。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした芳しいワインは、この区域特有の土の匂いを持つもの。」と高評価。 | |  |  ペッパーコーン氏は、「このクリュは昔から評判が高く、デュロン家(シャトー・レオヴィル・ラスカーズ、ポタンサックの所有者)が所有していたが、クロード・ラパリュを代表とするピエ・ノワールがここを買い取った。熟成にはすべて樽が使用されている。ワインは素晴らしく芳しく、スミレとカベルネの香りがはっきりと感じられ、洗練された風味があり、フルーティーでしなやかで、しっかりしたバックボーンを備える。」 | | |  | ラ・パタッシュ 2006年 ラパリュ家がシャトー・パタッシュ・ドーを所有してから40年あまり。シャトーのあるベガダンはサンテステフの北西15キロに位置し、小石と粘土石灰質の混じりあう大地が一面に広がる村だ。この気候風土を生かしながらジャン・ミッシェル・ラパリュはパタッシュ・ドーをグラン・クリュ・クラッセに匹敵するワインに育て上げてきた。そしてラパリュはこのテロワールの魅力を更に生かしたワイン造りに挑戦し始めた。アメリカ産オーク樽を採用して熟成したキュヴェ。味わいの中に「パタッシュらしさ」を感じさせてくれる。ラパリュの力量が発揮された実に興味深いキュヴェだ。 このラ・パタッシュはパタッシュ・ドーの新感覚セカンド・ラベル。スタイルの違う2つのシャトー(パタッシュ・ドーとオー・メドックのリヴェルサン)のセカンド用ワインを慎重に選別。米国産オーク樽とステンレスタンクで熟成後、ブレンドしたハイブリッド・セカンド。個性のぶつかり合いから生まれた複雑な味わい。 | | |