Beaujolais-Villages Nouveau V.V. [2021] Chateau des Vergers
980年、フランスのブルゴーニュに登場したベルギー出身のジャン・マリー・ギュファンス氏が立ち上げたネゴシアン「VERGET」(ヴェルジェ)。今や確固たるブランドを築き上げ、フランスワインファンなら誰もが知る存在となっています。現在、ジャン・マリー・ギュファンス氏は、仏ブルゴーニュ(シャブリ、コート・ドール、マコネ)で「Maison Verget」を運営する他、南仏コート・デュ・ローヌでネゴシアン「Verget du Sud」(ヴェルジェ・デュ・スッド)と自社畑のブドウから生産する「Chateau des Tourettes」(シャトー・デ・トゥレット)、さらにマコネで自身のドメーヌ「Domaine Guffens-Heyne」(ギュファン・エナン)と、3つの事業を展開しています。
シャトー・デ・ヴェルジェは17世紀よりイェメニー家によって営まれ、1870年にはラベルにも描かれている城館が建築されました。現在もアペラシオン・レニエの標高360メートルの丘陵に当時のまま城館はそびえ立ち、流麗な庭園がワイナリーの施設を取り囲み、その周りに13haのぶどう畑が広がっています。このクリュ・ボージョレー、アペラシオン・レニエの地に育つぶどうの樹木はほとんど全てV.V.(ヴィエイユ・ヴィーニュ/樹齢の古いぶどうの木)で、ぶどうの古株はミネラル分を豊富に持つ花崗岩質の地層を突き抜け深く地中に根を伸ばしています。
このシャトー137年の歴史上これまでAOCレニエとして販売されてきましたが、昨年よりオーナーのジョルジュ・イェメニー氏の情熱あるサポート、エリック氏の天才的とも言える醸造技術、そして輸入元株式会社ドウシシャとの出会いにより、日本限定販売のスペシャルキュヴェ「シャトー・デ・ヴェルジェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」として、初めてヌーヴォーが造られる運びとなりました。また、ファーストリリースとなった2006年ヴィンテージで早くもボージョレー・ヌーヴォー・コンクール金賞受賞の栄誉を獲得しました。裏話として、昨年あまりの出来の良さに協会から「ヌーヴォーらしくない」ということで危うくヌーヴォーと名乗れなくなるところを何とかギリギリで承認を取り付けたという冷や汗もののエピソードもあります。|
「レ・サルマンテール・ド・ボーシュ」はボジョレーの中心地ボーシュで毎年ヌーヴォーの解禁日に開催され、世界中から12000~14000人の参加があります。その祭典で3年連続その年に振舞われる最初のボジョレー・ヌーヴォーに選ばれ、いまや押しも押されぬボジョレーを代表する若手醸造家となりました。「厳格、謙虚、勤勉」この三つの言葉をパートナーである生産者の人たちと共有しボージョレーの土壌が表現する最高の品質のワインを生み出すべく努力を続けています。|クリュ・ボージョレ、アペラシオン・レニエのヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)から生まれるガメ種を100%使用しこのボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーは造られています。また、ボルドー地方と違いボジョレーの地で「シャトー(フランス語で城の意味)」の呼称で呼ばれるワイナリーは大変希少です。いにしえの高貴な人々が選んだこの地はその流麗な城館だけでなく土壌の質も立地条件も類まれな素質を秘めています。