 | ボデガス・トロ・アルバラ アギラル・デ・ラ・フロンテーラ(コルドバ)は1844年に設立され、1922年にアギラル・デ・ラ・フロンテーラの古い電機工場跡に移りました。ワインは太陽光で干された最上のペドロ・ヒメネスを使用し、生産量は極少量です。ワイナリーには1930年代の年季のある樽も存在しています。 ワインはオーダーをいただくごとに瓶詰めし、それまで樽は一切手を触れられることなく熟成されます。創設者の子孫であり、現在の所有者であるサー・アントニオ・サンチェスによって、狂信的とも言える高潔さをもって、このスペインの国宝ともいえるワインは造られています。 | |  |  フィノとアモンティリャードは共に酒精の添加はされる事は無く、ドライワインが自然に発酵し、16度前後のアルコール度数になります。ソレラシステムで熟成され、液面に産膜酵母(フロール)が生じ、乾燥した気候の為に水分が蒸発してアルコール度が上がりアモンティリャードになります。 より生産量の少ないPXの製法はこれとは全く異なります。ブドウをできるだけ長期間天日に当てる為に平均的な熟し加減になった(8月末頃)に収穫した後、細心の注意をもって麦わらの上に広げ、時々裏返しながら、1~2週間、干しブドウのように緑色が消え酸がなくなるまで日に干します。 この方法は、遅摘みワインよりもさらにリスクが多く、97年には雨の為に収穫は全て無駄になってしまいました。少しでも霧がかかったり、空が曇れば乾燥が不十分になり腐敗が始まって全てが台無しになってしまいます。果肉が濃縮され、麦わらにくっついてしまう為、通常の圧搾法ではなく、オリーブオイルに使われる水圧プレスで圧搾されます。発酵が始まるとすぐに、酒精強化を始め、信じられないほど濃度の高いものにします。通常1リットルあたり約450gのエキス分と、更に400gの残糖が含まれています。樽の中での長期間の酸化と、樽自体が吸収することにより、エキス分と糖分は300g/lほどになります。 この製造法における、品質面の重要性は筆舌尽くし難いものです。理想的な条件下での適切な乾燥状態に加え、優れた古いブドウ畑が必要不可欠となります。これは何世紀にも渡る伝統に基づいた製法です。 2週間ばかり前、ボデガで手付かずのまま保存されていた、1844年のヴィンテージをテイスティングしましたが、揮発性酸の中でやや濃縮されていたものの、印象的なものでした。 実際のところ、ヘレス地区にはPXのブドウ畑は存在しないので、シェリーの甘味添加に使われるほとんどのPXや、シェリー醸造家が古いPXの高価なスペシャルボトルを出すときにはモンテーリャの物が使われています。これは公的に認められていることです。 安いシェリーの代わりにワインを製造し、マス・マーケットに切り込もうという動きがこの地区で一般化した中で、トロ・アルバーラは、典型的なクラシックなモンティーリャの製造と保存に貢献してきた現存するわずかな、おそらく唯一の農園です。この努力が実り、トロ・アルバーラは現在スペインで最も権威ある名を誇っています。 『インポーターさんによるトロ・アルバラ・ドンPXの説明』 | | |  | トロ・アルバラ アモンティリャード コンベント 1971年 木箱入り ペドロ・ヒメネス100%。アモンティリィヤード・コンベントはアモンティリィヤードを少なくとも25年間酸化熟成させて造られます。ゆっくりと酸化していく事で琥珀色や濃い黄色に帯びてゆきます。アルコール度数は21%。 色は琥珀色で金色に輝きます。シャープでありながら深みがあります。カカオ、ヴァニラ、燻製や煙草のアロマが際立っています。同時に焼いたピーナッツ、繊細なケーキ、ライムの樹、オーク、白トリュフの美味いセンセーションが感じられます。これだけではなく、桃、ジャム、ピーナッツ・クリーム、ローズマリーの蜂蜜なども溢れます。量感と強さが永遠に続くような統合された印象で、このワインを飲む事で素晴らしい楽しみが与えられます。消えることのないような味わいで、アモンティリャードの神髄が楽しめます。冷たい温度で大きなグラスでサーブして下さい。熟成と共に向上します。 | | |