 | 約2週間ほど麦わらの上で腐敗しないように慎重に天日干しにし(酸がなくなり乾かし、ブドウ状態にします。)発酵中に段階的に酒精強化されます。オークの香りの移らない樽で味わいの調和を取り、収穫されたヴィンテージの翌年に瓶詰めされます。 | |  |  フィノとアモンティリャードは共に酒精の添加はされる事は無く、ドライワインが自然に発酵し、16度前後のアルコール度数になります。ソレラシステムで熟成され、液面に産膜酵母(フロール)が生じ、乾燥した気候の為に水分が蒸発してアルコール度が上がりアモンティリャードになります。 より生産量の少ないPXの製法はこれとは全く異なります。ブドウをできるだけ長期間天日に当てる為に平均的な熟し加減になった(8月末頃)に収穫した後、細心の注意をもって麦わらの上に広げ、時々裏返しながら、1~2週間、干しブドウのように緑色が消え酸がなくなるまで日に干します。 この方法は、遅摘みワインよりもさらにリスクが多く、97年には雨の為に収穫は全て無駄になってしまいました。少しでも霧がかかったり、空が曇れば乾燥が不十分になり腐敗が始まって全てが台無しになってしまいます。果肉が濃縮され、麦わらにくっついてしまう為、通常の圧搾法ではなく、オリーブオイルに使われる水圧プレスで圧搾されます。発酵が始まるとすぐに、酒精強化を始め、信じられないほど濃度の高いものにします。通常1リットルあたり約450gのエキス分と、更に400gの残糖が含まれています。樽の中での長期間の酸化と、樽自体が吸収することにより、エキス分と糖分は300g/lほどになります。 この製造法における、品質面の重要性は筆舌尽くし難いものです。理想的な条件下での適切な乾燥状態に加え、優れた古いブドウ畑が必要不可欠となります。これは何世紀にも渡る伝統に基づいた製法です。 2週間ばかり前、ボデガで手付かずのまま保存されていた、1844年のヴィンテージをテイスティングしましたが、揮発性酸の中でやや濃縮されていたものの、印象的なものでした。 実際のところ、ヘレス地区にはPXのブドウ畑は存在しないので、シェリーの甘味添加に使われるほとんどのPXや、シェリー醸造家が古いPXの高価なスペシャルボトルを出すときにはモンテーリャの物が使われています。これは公的に認められていることです。 安いシェリーの代わりにワインを製造し、マス・マーケットに切り込もうという動きがこの地区で一般化した中で、トロ・アルバーラは、典型的なクラシックなモンティーリャの製造と保存に貢献してきた現存するわずかな、おそらく唯一の農園です。この努力が実り、トロ・アルバーラは現在スペインで最も権威ある名を誇っています。 『インポーターさんによるトロ・アルバラ・ドンPXの説明』 | | |  | ドン・ペー・エキス グラン・レセルバ 1982年 ドン ペーエキスのプレミアムクラス。最低25年熟成させたPX(ペドロヒメネス)がヴィンテージ順ではなくクラシックな特徴が出てきた樽から順にリリース されます。 このワインは、ヴィンテージごとに800ケースあまりしか生産されない稀少品なのです。 ワインのタイプは極甘口で、カラーは透明ビンに入っているにもかかわらずびっくりするほどのブラウンカラー、まさにシェリーというよりポートの古酒に近いような感じなのです。 口に含むとトロリとしたハチミツや黒糖・ベッコ飴、んっ?高級バルサミコ?いやみたらしだんご?失礼しました。 とにかくすごい凝縮感!こってりとした深みのある甘味にはもう表現の方法が見つかりません!とにかく極甘口ファンには最高のワインです。 |
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